圧倒されました
昨日、久々に図書館に行きまして。
村上春樹のコミュニティでも話題の「カラマーゾフの兄弟」を一度手に取ったのですが、
何となく疲れそうな感じだったのでパス。(笑)
やっぱ短編くらいでいいや、ということで
近くにあった「イワン・イリッチの死」なる本を何となく借りてきました。
トルストイですよ。帝政ロシアの文豪、レフ・トルストイ。
今までまったく読んだこともない、まさかのトルストイです。(笑)
夕食後、「まぁちょっとめくってみるか」と読み始めました。
最初は「何でこんな長い名前をずっと全部フルネームで書くんだ…」と、
若干うんざりしたのです。(・ε・)
が! が!! が!!!
読み進むごとに引き込まれてしまい、もう止まらない!!! (゚Д゚;)
3時間ほどで全部読み終わってしまいました…。
恐るべし、トルストイ…。
もう、何というか圧倒されたって感じで、読み終わったら脱力でした。
こんな感覚、短編だと初めてかもしれません。
ちなみに内容は、
出世や経済的な豊かさといった社会的な成功を求め、
妻に辟易しつつもうまく生きてきた中年役人(イワン・イリッチ)が、
ふとした事故がきっかけで不治の病を得る。
迫り来る死への恐怖、自らの人生への疑問、病による不断の痛み、
どこか無関心な周囲への憤り、そして際限のない孤独感に苦しむ中、
ただ1人、朴訥とした下男ゲラーシムの誠実さに心を打たれる。
果てしない自問を繰り返しながら、イワンは最期のときを迎えるのであった。
といった感じ。
全然明るい話じゃないですよね(笑)
でも、「トルストイって1回死んだことがあるんじゃないか?」って思うくらいに
迫真の心理描写が続くんです。
今はまだ死を明確に意識することが少ないけど、
時間を置いて読んでみたら、また違った感覚を受けそうだな、と思った1冊でした。