歴史の中のグルメ
先日の『武士の家計簿』に続きまして、
黒岩比佐子著『歴史のかげにグルメあり』を読みました。
![]() | 歴史のかげにグルメあり (文春新書) (2008/08) 黒岩 比佐子 商品詳細を見る |
近世後半から明治期にかけて、
政治や外交の場での「食」と、それにまつわるエピソードを紹介しています。
登場人物は
・ペリー
・アーネスト・サトウ
・明治天皇
・井上馨
・大倉喜八郎
・ニコライ皇太子
・伊藤博文
・児玉源太郎
・村井弦斎
・西園寺公望
・幸徳秋水 などなど
当時の政財界のトップたちが、結構な美食であったことに驚かされます。
もっとも、社交の場だから、ということかもしれませんが。
個人的に一番面白かったのは、次の話。
日米和親条約の締結直前。
ペリー提督のポーハタン号に招かれた、日本側委員の5名+従者約70名。
午餐会のテーブルに並んだのは、
牛肉、羊肉、鳥肉、野菜に果物、シャンパンやワイン等々の美食の数々。
交渉の席では謹直だった日本側委員も、主席の林大学頭を除いて飲むわ食うわ!
最終的には林を除く4人はすっかり酔っ払い、
松崎満太郎に至っては、ベロンベロンになって
ペリーに抱きついて「我々と米国は同じ心である」と絡む始末。
この他、別のテーブルの従者たちもしたたかに酔い、
日本人が乾杯を音頭を取り、アメリカの楽隊は音楽をかき鳴らし、
日米入り混じって飲めや歌えや踊れやのどんちゃん騒ぎをしたそうな。
飲んで楽しくなるのは、古今東西変わらないようです。
コメント
コメントの投稿
トラックバック
http://donburiburi.blog94.fc2.com/tb.php/1163-057ad3d3